イメージが突然降ってきた。そして、そのイメージは、どこからやってきたのか自分でもわからない。
JKローリング

JKローリングが、ハリーポッターのイメージを受け取ったのは、ロンドンの地下鉄に乗っていたとき。

「そうだ、僕にも小説が書けるかもしれない」

そのときの感覚を、僕はまだはっきり覚えています。それは空から何かがひらひらゆっくりと落ちてきて、それを両手でうまくうけとめられたような気分でした。どうしてそれがたまたま僕の手のひらに落ちてきたのか、そのわけはよくわかりません。そのときもわからなかったし、今でもわかりません。それは、なんといえばいいのか、ひとつの啓示のような出来事でした。
ムラカミ・ハルキ 職業としての小説家より

彼が小説を書き始めるきっかけとなるこの出来事は、神宮球場で野球の観戦中に、何の脈略もなく降ってきた。ムラカミさん、29歳のときである。

インスピレーションという女神さまは、彼女の創造という子供を地球に産み出してくれる人を探し、ヒラヒラ空を舞っている。

わたし?産み育てる自信ないのですけど・・・う〜んちょっと考えさせてね、とか迷っていると、”わかりました他の人を当たりますね” (と言うかどうかわからないけど)去っていく。女神さまにサッと見放される時もあるし、そのインスピレーションを産む資質のようなものを持っていたりすると、なんども玄関先に立たれることになる。

インスピレーション、閃き(ひらめき)は、読んで字のごとく、考えというフィルターを通さず、雷のようにピカッと光った瞬間に打たれていたようなもの。
日本語だと霊感とか訳されていて、ちょっとおドロしいけど、なんとなく感じはつかめるかしら?

例えば、CDディスクのイメージがピカッと落ちてきても、その全体を理解する専門的な心がないと実用化はできないように、ローリングさんもムラカミさんも作家として必要なものは前提としてあったわけです。

モーツアルトだったりムラカミ作品だったり何であれ、アチラ側からやってくる本物は、国、信念や宗教、年齢や時代も越えて、私たち人間の同じ魂の気持ちがある場所につれていってくれるもの。
だから、多くの人に愛される。

ちなみに、ムラカミさんは世界でも著名な作家だけど、有名になる前も後も、メディア取材も講演もめったに受けないしテレビにもでない。
(FBの書き込み、ツイッターのつぶやきなんてのも、ナシです)

あれだけ有名なエックハルト・トールもしかり。
取材はほとんど受けないし、本来は表ステージにはでたくないが、自然の流れの中でそうさせられてしまっているという。
時期がきたら公的なところから退き、また新しい本を生み出したいと言っています。

実際お二人と話したことはないけど、実物でみたエックハル・トールは恥ずかしがりやの男の子のようだったし、コレクションしているムラカミさんの作品からも(特に紀行文集や、インタビュー集ですが)、少年のような心があふれています。

あちら側へと続く特別なドアが開けられるのは、少なくとも子どものようなエゴのない、純粋な心を持った人たちなのかもしれませんね。

shutterstock_342883301