Perfect Days
ヴィム・ヴェンダース監督/ Wim Wenders
(*ヴェンダース監督 インタビューから抜粋 引用)
私たちは消費する生活にすっかりはまっていて、商品ばかりの世界に暮らしている
( * つまり、私たちの暮らしている カオスな場所 )些細なことを喜んでいて、そういったことに敬意を払い、
ひとつひとつのかけがえのなさを知っている人物の物語。
彼 – 平山さん – は一冊読んで、本棚に戻し、また新しい一冊を買いに行きます
何もかもが、ひとつずつ 起こる
これは、現代ではもはや隠されている生活です。
そして彼 は、「木漏れ日」がこの宇宙全体でたった一度しか見られないものだということににも、気がついています
この ディストピア ( 暗黒世界/ ⇔ユートピア ) の世界には、脱出ルートはいくつかあります
平山さんは、そのうちのひとつを見つけ、彼は私たちに、
どうやってこの牢獄から抜け出せたのかを教えてくれます。
まったく別の世界に暮らしていて、トイレ掃除をしたことがなく、
これからも決してしない人たちが彼の暮らしを大切に思えるのは、
『PERFECT DAYS」は、ややユートピア的だからなんです。
( *抜粋終わり)
ディストピアからの脱出口は、自分の内にしか その扉はない
禅僧の昔の修行は、水をくみ、薪を割り、そして 水をくむ。
その日常のルーティンの中で、内にある扉に気がついていく, 平和の 棲む場所に。
ヴェンダース監督は、 脚本段階で、
主人公 平山さんの 僧侶的な在り方を、友人であった 「レナード コーエン」と重ね合わせたそうだ。
10年間 臨済宗の僧侶だった、レナードコーエン
見習いの一年目は、トイレ掃除もしたという話を監督自身がとても興味深いものとして覚えていた 。
でも撮影が進むにつれ、僧侶という一つの形も 平山さんも消え、人間の優しさやユーモアの本質が こされ 残ったそうです。
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ホームレス役で 数カットだけ登場する 田中 泯
彼もまたすごい人で・・・
Tanaka Min のダンスは、命そのものが その場で 舞う
生前の坂本龍一に、 「人類を」 踊って欲しいと リクエストされた人である。
ヴェンダース監督の 「ベルリン天使の詩」に 描かれる天使たちは、人間にはその姿が見えない。でも 天使たちには人間が見える。
ホームレス、トイレの清掃をする人たち、大人には もう見えずらくなってしまった天使たちなのかもしれない。
精神的な世界に天使探しをしなくても、目の前に 天使さんはいるものだ …
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毎朝 愛おしそうに、空に溶ける 光を見上げる平山さん
スカイツリーの、人工的な光
名づけようのない踊り、命を舞う Min Tanaka
太陽から与えられた、一つの エネルギー でみんなつながっている
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2024年3月のアカデミー賞、国際長編映画賞にノミネートされている Perfect Days
ヴェンダース作品のファンとしては、ぜひ受賞して欲しいなぁ…
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オマケ
レナードコーエンの ハレルヤ (Leonard Cohen – Hallelujah )
、僧侶だったのね、 なんか 納得