1970年に出版された「カモメのジョナサン(パート1-3)」は、
またたく間に全米で評判になり、
ニュヨークタイムズのベストセラー入り。
そして1973年に、じつは映画化もされていたりするのは、
知っていましたか?
映画はアカデミー賞にもノミネートされ(!)、でも、評判はさんざん。
(youtube にアップされている全編の映像はとても美しいです)
でも、ニール・ダイアモンドが歌い上げるサウンドトラックは、
ゴールデングローブとグラミー賞受賞。
それから、50年後の・・・
2012年。
著者リチャード・バックの奥さんが、
まるで「今!」見つけられることが予定されていたかのように、
古い原稿箱の底から引っぱりだしてきたのが、パート4。
出版社に見せることもなくバッグが葬り去ったその原稿は、
(著者の何度もの離婚/結婚にともなう引っ越しからも)
奇跡的に生き延びることになる。
(オリジナル・パート4原稿)
■
チベット仏教では、
ある時期に埋蔵された経典が、
しかるべき未来に定めをもって発見されるよう仕組まれたものとして、
「テルマ(埋蔵教)」がある。
”死海文書”や、”ナグ・ハマディ写本”なども、
2千年前に記された聖書の一部として1940年代に相次いで発見されている。
あたかも
「今のわたしたち」が、その内容を知ることが重要な意味をもつように・・・。
もっといえば
「今のわたしたち」だから、心がスッとその内容を受け入れられるのかもしれない。
ジョナサン・パート4も、
そういう意味では、プチ・テルマなのかもしれない。
ずっと昔にジョナサンを読んだひとたちが、自分の心の変容に気づく何かのきっかけになるよう出てきたもの。
ほんのつい最近まで、(というかまだまだあるけど)
“自分の枠を超えてがんばって生きろ!限界を超えなくてはいけない!!”
というのが社会の信念であり風潮だった。
そんな信念を掲げる組織は、
カモメのバッジを象徴的につけているところもあったけ。
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パート4は、
ジョナサンが、生きる意味を見いだせず死を選ぼうとする若いカモメさんに、
こんなことを言って締めくくられている。
「ああ、たのしく飛んでただけだよ。
急降下、急上昇から、緩横転して、頂点で横転宙返り。
ただの暇つぶしさ。
きみももしおなじように飛びたいんなら、やってみるかい?
少しばかりの練習が必要になるけど。
でも素敵なことだと思うだろ?」
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限界を超え何かを達成しなければと感じるなら、、もちろんそれもあり。
でも、日々がむなしいのだけどまっすぐ向き合えるほど勇気がないという人は、
人生や自分にあまり深刻になりすぎないこと。
(真面目な人ほど、ちゃんとせねばと思ってしまうよね)
たくさん、たのしむこと。
たのしく飛ぶために、私たちはここにやってきたのだから。
自分の失敗もクスっと笑いとばせたり、
ユーモアのセンスもあれば、たいていのことは超えられる。
ときに、心の固い結び目をゆるめてくれるのは、
こんなジョーダンだったりしてもいい。
(要するに、まじめになりすぎないこと。 ^^ )
問・カモメが百羽います。一羽はカモメのジョナサン、では残りは?
答え・カモメのミナサン。