村上RADIO から引用
(村上春樹)
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さて、今日の最後の言葉はフランス人歌手にして作詞家、映画監督にして俳優のセルジュ・ゲンスブールさんです。娘のシャルロットさんも有名ですね。私生活が奔放だったことでも知られています。彼は人生でいちばん大切なことは何かと訊かれて、こう答えています。「人生で大切なことは、まずセックス、酒、タバコ、書くこと。そしてまたセックス、それから娘のシャルロットかな……」
とてもラブリーな答えですね。なかなか僕なんかには言えませんが。
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映画はシャルロットとジェーン・バーキンの 、静かなささやきのような 対話のみで淡々と進みます。
なので、彼らに興味がないと あまり面白くないかも。
ジェーンと、ゲンスブールの娘が、シャルロット。
彼らが12年間暮らしていた、パリのアパルトマンもでてきます。
ジェーンの、ゲランの美しい香水瓶たちは 今もまだそのままで…
若さというものは失われ
血管が浮き上がりシミやシワだらけになったジェーンの手のクロースアップが、
フランス社会で 個として成熟した人間が内から醸し出す “何か” と交じり合い、
せつないけど 深く美しい。
ゲンスブール(1991年没)そして ジェーン・バーキン(2023年没)、村上さんの言うように 確かに自由奔放な生き様だったかもしれないけど、社会や誰かに迎合することなく 自分のあるがままで生きるって かっこいいなぁ。それがラブリーなことなんだと、ワタシは思ったりする (笑)
東京は、ヒューマントラストシネマ有楽町で、「ジェーンとシャルロット」上映中